Content - イノベーション政策と研究分野

イノベーション政策と研究分野

イノベーション政策

イノベーションは、持続可能な未来を切り拓くための鍵です。その基礎となるのは、新しいアイデアやよりよい解決策を生み出す教育・研究の振興と国際的ネットワークの構築です。ドイツは、公的資金をより効率的に利用し、イノベーションを創出するための環境整備を進めています。アイデアの創出や普及によって、単に人々の生活を豊かにするだけでなく、新たな経済的付加価値を高めてドイツに雇用を生み出し、人材を有効活用することを目指しています。 


2006年8月、ドイツ連邦教育研究省は、研究開発およびイノベーションを推進する政策として、包括的な国家戦略である「ハイテク戦略」を開始しました。この戦略の目的は、ドイツが地球規模課題の解決に向けて主導的な役割を果たすことと、21世紀の差し迫った問題へ説得力のある答えを明示することです。2006年以降、ドイツの科学・イノベーション政策は、この戦略を基本計画として推進されており、連邦政府と企業による研究開発投資が大幅に増加しています。

2010年6月には、従来の「ハイテク戦略」を推進する「ハイテク戦略2020」が発表されました。全体的な政策の優先順位は根本的に変更されていませんが、ここでは、気候、栄養・健康、モビリティ・交通、安全、コミュニケーションの5つの社会的でグローバルな挑戦課題が掲げられました。それぞれの技術分野が、重要な政治目標の実現に貢献することや、主要な技術分野でのイノベーションを促進することを目指しています。また、リーディングマーケットの構築を目標としており、今後10年から15年の間に社会で重要となる広範囲にわたる未来志向のプロジェクトが確認されました。

2014年9月、第3弾となる「新ハイテク戦略」が発表されました。社会および将来の成長と豊かさに関連する研究分野が重視されています。すでにイノベーションの推進力が大きく、経済成長が見込まれる分野の優先課題として、デジタル経済・社会、持続可能な経済・エネルギー、革新的な労働環境、健康的な生活、インテリジェント・モビリティ、市民の安全の6つがあげられました。また、専門大学を強化するために、先端クラスターやネットワークのより一層の国際化と、産学連携を促進するための連邦政府による支援などが盛り込まれています。

関連DWIHニュース

「高等教育協定」「エクセレンス・イニシアチブ」「大学自由法」などは、相互に補完し合っています。主要政策のなかでの優先順位は、グローバル・トレンドに遅れをとらないこと、官民による研究開発のための資金提供、教育制度改革、経済界と学術界のネットワークの改善です。新しい政策措置には、「科学研究のイノベーションポテンシャル評価・促進プログラム(VIP)」「go-innovativ」「リサーチキャンパス」があります。

 

 

研究分野

ドイツはイノベーション大国として、将来の持続的発展の実現に向けて、デジタル化、人口構成の変化、高齢化、持続可能な経済などの地球規模課題に取り組んでいます。ドイツの研究は多様性に富んでおり、その分野も幅広く、大学、研究機関、企業、国立・州立の研究所など様々な研究拠点で行われています。

重要な研究分野の一例:
自動車・交通技術
バイオテクノロジー
環境技術
健康
材料技術

・自動車・交通技術

ヒト・モノの移動が増加の一途をたどるなか、輸送インフラ、ロジスティクス、技術は大きな課題となっています。より安全でより速く、より持続可能な新技術が求められています。自動車産業はドイツの基幹産業であり、被雇用者のおよそ7人に1人が直接的あるいは間接的に自動車産業に従事しています。交通量の増加に伴い、環境政策も多くの課題に直面しています。連邦政府は環境保護政策において、輸送における二酸化炭素の排出量削減、エネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの利用促進を目指しています。

主な研究プロジェクト(英語)

・バイオテクノロジー

バイオテクノロジーは、医療、食品・飼料業界、化学業界において多数の応用製品を生み出す基盤および推進力となっています。ドイツのバイオテクノロジー部門は拡大を続けており、現在約3万5千人がこの分野の仕事に従事しています。バイオテクノロジーは、医薬品製造、新たな診断・治療コンセプト、ファインケミカル製造、排水処理プロセス、バイオマスからのエネルギー生産などに活用されています。

連邦教育研究省は、バイオテクノロジーの研究成果を実用化するための2つの助成プログラムを策定しています。医療研究プログラムでは、生活習慣病の研究に再び焦点を当て、2014年までに55億ユーロを支出します。バイオエコノミー研究戦略2030では、気候変動、持続可能な食糧・バイオエネルギー・生産に焦点を当てて2017年までに24億ユーロを投入する予定です。

主な研究プロジェクト(英語)

・環境技術

ドイツの環境技術産業は2020年までに自動車や機械工学の売上高を超えると期待されています。ドイツは特に温室効果ガス排出削減、リサイクル、資源効率の分野で世界をリードしています。

環境技術分野には、廃棄物管理や水資源管理における従来型のサービスのほか、未来を見据えた持続可能な経済を志向する技術製品・プロセスのすべてが含まれます。効率的で持続可能な天然資源の利用と環境負荷の最小化は、ドイツの研究開発の明確な目標となっています。

主な研究プロジェクト(英語)

・健康

連邦政府の健康研究政策の目標は、研究成果からすべての人々が利益を得られるようにすることです。より効果的に患者を手助けするために、新たな診断方法や治療法が開発され、改良も続けられています。また、病気の発生自体を抑えるために、予防に向けた新たな取り組みや予防方法の研究が続けられています。

医療の進歩はまた、コストの削減にも貢献しています。新たな検査・治療技術により、低侵襲治療が可能となり、入院期間が短縮されます。連邦教育研究省は2011~2014年に約55億ユーロを健康に関する研究に支出しています。

主な研究プロジェクト(英語)

・材料技術

傷のつきにくいラッカー塗料、高温耐性に優れた金属合金、航空機向けの超軽量特殊プラスチックなどの革新的な材料は、ドイツのハイテク戦略でも重要な位置を占めています。

ドイツ国内では、約500万人が材料を基盤とした産業に従事しています。車両製造、機械工学、化学産業、情報通信技術、エネルギー供給、電気工学・エレクトロニクス、金属製造・加工などがその例で、これらの産業はドイツの貿易黒字に大きく貢献しています。新材料はドイツ企業の競争力を高めるうえでも技術革新の可能性を大いに秘めています。

主な研究プロジェクト(英語)

ドイツ連邦「研究とイノベーション」助成アドバイザリーサービス

研究と技術革新を促進する助成プログラムの情報窓口で、連邦政府の研究プロジェクト、助成プログラム、またその取り組みなどについて紹介しています。
リンク(ドイツ語)

 

Footer